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その肩の痛み、上腕二頭筋長頭腱炎かも?テスト方法をブログで紹介!

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上腕二頭筋長頭腱炎のスピードテストをブログで紹介 理学療法
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目次

「スピードテスト(Speed’s test)」と「ヤーガソンテスト(Yargason’s test)」

今回は臨床でも頻繁に使われる上腕二頭筋長頭腱炎の判別する際に使用するテストの方法を説明します。テストの名前は「スピードテスト(Speed’s test)」と「ヤーガソンテスト(Yargason’s test)」です。

これらは主に上腕二頭筋という筋肉が痛んでしまっているかどうかを確認する検査になります。

上腕二頭筋とは、腕の力こぶにあたる筋肉になります。肘を伸ばしたり曲げたりする筋肉です。そのため、ものを持ち上げたり何かを引っ張ったりする時にもよく使われる筋肉です。

名前の通り上腕(腕)にある二頭(2つの)筋肉ということになり、「長頭」と「短頭」の2つに分けられます。これらのテストは特によく怪我をする「長頭」という方の筋肉をテストします。

スピードテスト(Speed’s test)

スピードテスト(Speed’s test)は、別名「上肢伸展検査」と呼ばれます。

テストされる人の姿勢

・テストする腕の肘を完全に伸ばして座る、もしくは立ちます。
・最初に肘を伸ばしたまま、手のひらを上に向けながら前から腕が水平になるまで挙げます。次に手のひらを下に向けながら前から腕が水平になるまで挙げます。
・腕を下に押されたらそれに抵抗して、腕が下がらないように保持するように力を入れます。

テストする人(検査をする人)の動き

  • テストする腕の肘を完全に伸ばし、座る、もしくは立つように指示します。
  • 最初に肘を伸ばしたまま、手のひらを上に向けながら前から腕が水平になるまで挙げるように指示します。「このまま腕を水平に挙げたままでいてください」と指示し、挙げている手を下に押します(実際にゆっくり腕が下に下がるくらい押してください)。この時にどこに痛みが出るかを聞きます。
  • 次に手のひらを下に向けながら前から腕が水平になるまで挙げるよう指示し、同様に力を加えてどこに痛みが出るかを聞きます。

手のひらを上にする⏬

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肘を伸ばしたまま、手のひらを上に向けながら前から腕が水平になるまで挙げます。

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挙げている腕を下に押します

手のひらを下にする⏬

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肘を伸ばしたまま、手のひらを下に向けながら前から腕が水平になるまで挙げます

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挙げている腕を下に押します

動画

手のひらを上にして行う

 

 

手のひらを下にして行う

みるべきポイント

このテストは手のひらを上に向けた状態と下に向けた状態の2つのパターンで力を加えてどうなのかを見ます。

上腕二頭筋長頭が損傷していれば、手のひらを上に向けた状態で行った方が痛みが強くなるという特徴があります。痛みが出る部分としては、肩の前あたりになります。そのあたりを押しても痛い場合は、より上腕二頭筋長頭腱炎の疑いが強くなります1)。

 

1. K M KhanJ L CookJ E TauntonF Bonar; Overuse tendinosis, not tendinitis part 1: a new paradigm for a difficult clinical problem. Phys. Sportsmed.28 :38-48, 2000

ヤーガソンテスト(Yargason’s test)

ヤーガソンテスト(Yargason’s test)も上腕二頭筋長頭の検査になります。しかし、当初は上腕二頭筋長頭の上にかかっている靭帯を検査する目的で考案されました。

テストされる人の姿勢

・腕を体につけた状態で肘を直角に曲げ、手のひらを下に向けておきます。
・その状態から手のひらを上に向ける + 腕を外に回すように力を入れます。腕を外に回すようにするのは「外旋ラグ徴候」をテストする際の動きと同じです。その時にどこに痛みが出るかを確認します。

テストする人(検査をする人)の動き

  • 腕を体につけた状態で肘を直角に曲げ、手のひらを下に向けるように指示します(小さく前へならえをしながら手のひらを下に向けている状態です)。
  • その手を掴み、「手のひらを上に向けながら、腕を外に回してください」と指示をします。
  • その動きをさせないように、抵抗するように力を加えます。その際にどこに痛みが出るかを聞きます。
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動画

みるべきポイント

上腕二頭筋長頭が炎症を起こしていれば、肩の前あたりに痛みが出ることになります。

治療

この上腕二頭筋長頭腱炎になった場合、最初にすることは「安静」です。何度も何度も負担がかかって痛みが生じているため、まずはその負担を減らし、炎症を引かせることが大事です。

熱を持ち始めてしまっている時には「アイシング」をする必要もあります。

痛みが引いた後は、上腕二頭筋に負担がかからないよな動きを習得するのが基本的な流れになります。実はこの怪我は、上腕二頭筋自体に問題があるというよりは、身体のどこかに痛みや動きが悪い部分があることで、上腕二頭筋でかばって使いすぎてしまうということが原因であることが非常に多いです。

そのため、実際に病院を受診し、どのような動き・動作を見直したら良いかを聞く、もしくは指導してもらうことが重要になります。もしそうなった時には、「どんな動きでどこに痛みが出ていたか」「朝・昼・晩・運動後・安静時など、どんな時に痛みが出ていたか」をしっかりと覚えておきましょう。これらの情報が今後の動作方法の習得や治療に非常に役立ちます。

まとめ

スピードテスト(Speed’s test)ヤーガソンテスト(Yargason’s test)の方法を紹介しました。

スピードテストの方がヤーガソンテストの方が有用であるとも言われています。また、このテストは上腕二頭筋長頭以外にも、肩の関節の受け皿の方が損傷していても痛みが出る場合があります(SLAP損傷と呼ばれます)。

上腕二頭筋長頭の痛みは、力をギュッと入れる時よりも、実際に腕が動いたり筋肉が押されたりする時に痛みが強く誘発されます。

また「腕を外に回す」というのは「肩関節外旋」と呼ばれます。顔を下に向けて見ながらその動きをすると腕が時計回りに動く方向になります。

 

また他の肩関節の筋肉の検査を行いながら、総合的に判断しましょう。テスト単独での信頼性は低いため、複数のテストを行って下さい。要チェックポイントです。

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高橋邦泰. スポーツ理学療法で必要となる整形外科徒手検査と徴候. 理学療法科学23(3): 357–362, 2008

あくまでも個人的な見解を含んでおり正確性を保証するものではありません。実際に行う場合は各自の判断と責任で行うようお願い致します。また当記事の目的は、医療従事者以外の方が各々で判断できるようにすることではありません。納得して医療機関にスムーズに受診が出来るようなアドバイス、もしくは新人の医療従事者向けとなりますので、無理な範囲を超えて行わないようお願い致します。

 

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