今回は臨床でも頻繁に使われる肩甲下筋の怪我をしているかを判別するベリープレステスト(belly press test)の方法を説明します。
肩が痛くなる原因には色々ありますが、その中でも最も考えやすいのが、「筋肉そのものの損傷」です。よね・・・?笑
という時に行うテストになります!
同じ肩甲下筋のテストはリフトオフテスト(Lift off test)というものがありましたね。それはここで詳しく説明しています。
私はこの本から学び始めました!後輩と一緒に読みながら、発行されてから数年経った今でも使っています。本当におすすめなので、是非検討してみてください。
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目次
ベリープレステスト(belly press test)
リフトオフテスト(Lift off test)も肩甲下筋のテストだけど、その違いって何・・・?
というところですよね。リフトオフテストは背中まで手を持っていく必要がありますが、それが出来ない場合にこのベリープレステストを適用させます。
「belly:腹部、press:押す」テストです。そのままですね笑
またベリープレステストの別名として「腹壁圧迫試験」とも呼ばれます。
テストされる人の姿勢
テストする人(検査をする人)の動き
- 座る、もしくは立った状態から、手のひらをお腹に当てるように指示します。
- どのくらい力を入れることが出来るのかを確認するために、テストする人の手を、テストされる人のお腹と手のひらの間に入れておきます。
- そこからさらに手のひらでお腹を押すように力を入れるように指示します。
みるべきポイント
お腹を押すように力を入れた時に、しっかり力を入れることが出来ない場合・力を入れ続けることが出来ない場合・痛みが出る場合は陽性となります。この時にかばう動きが出ないかを確認しましょう。
かばう動きとは、例えば「肘や肩が前に出てきてしまう」「肘がだんだん伸びてきてしまう」などがありますので、テストする人はそれらの動きが出てこないようにしっかり見ておきましょう。
動画
まとめ
ベリープレステスト(belly press test)の方法を紹介しました。
Gerberら1)さんは、1991年に リフトオフテスト(lift off test)を考案しました。このテストは、手を腰に回す必要がある検査になります。1996年に、Gerberら2)さんは,肩甲下筋腱断裂に対するテストとして新たにベリープレステスト(belly-press test)を考案しました。
適応できる患者、そうでない患者を考えてそれぞれのテスト方法を考案していくことは非常に重要です。私たちもこれらを活用してどちらの方法を使うかを考えていきたいですね。
ある程度肩を見たことがあればこの本も私はいいと思います。村木先生が書かれた本で臨床での考え方を教えてくれます。必要なければいいですが、まだ新人の人、経験が浅い人はさっきの本と一緒に読むとめちゃめちゃ成長できると思いますよ。 |
肩関節の筋力をチェックするテストには、エンプティーカンテスト・フルカンテストなどもあります。
肩関節の前方不安定性を検査するものには肩関節の前方の不安定性テスト(anterior apprehension test)、フルクラムテスト(fulcrum test)、リロケーションテスト(relocation test)という方法もあります。
テスト単独での信頼性は低いため、他の複数のテストを行って判断するようにしましょう。
肩のインピンジメントテストはこちらを参考にどうぞ。
Isolated rupture of the tendon of the subscapularis muscle. Clinical features in 16 cases. J Bone Joint Surg. Br. 73 :389-394, 1991
2)
Isolated Rupture of the Subscapularis Tendon. Results of Operative Repair. J Bone Joint Surg Am 78(7): 1015-23, 1996
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